「ひとりぼっちのみなさん、一緒に楽しみましょう!」
これは、11月11日の「独り者デー」に合わせて清華大学の校内BBSに投稿されたパーティー案内のキャッチコピーだ。日付に「1」がずらりと並ぶこの日は、恋人のいない若者の間で「独り者デー」と呼ばれている。
昨年の全国人口統計によると、22~49歳の年齢層では、女性より男性の方が1697万人多い。つまり、単純に数えると1千万人もの男性が「あぶれる」計算になってしまう。
恋人のいない男子学生が作ったとされるこの「祝日」は、大学を巣立つ卒業生とともに社会に広まっていった。11月11日は休日ではないが、この日にユーモアを込めて「独り者デー」を楽しむことが、独身のホワイトカラーの間で現在流行になりつつある。
「11・11」にちなんで油条(小麦粉をねって揚げた棒状の食べ物)4本と肉まん1個を食べたり、「11」番系統のバスに乗ったり、独り者仲間に「祝福」のショートメッセージを送ったり、仲間とカラオケやバー、ディスコに行ったり、ショッピングを楽しんだり――。思い思いに「独り者デー」を過ごす。
日刊紙「中国青年報」と大手ポータルサイト「捜狐網(SOHU)」は8日、「独り者デー」に関するアンケートを共同で実施した。10日現在、アンケート協力者のうち「『独り者デー』を聞いたことがある」と答えた人は57%を超え、うち半数は「何かの形で祝うつもり」と答えた。また、「『独り者』は決して、孤独や寂しさ、味気なさの代名詞ではない。逆に、より独立し、より自由に、人生を自由に計画できる」と答えた人は約80%に上った。
インターネットによる調査では、独身者が増えている原因について、「若者の自意識が強まり、パートナーへの注文が厳しくなったため」と答えた人は全体の40%だった。「社会環境にゆとりが出て、独り身へのプレッシャーも弱まったため」との答えは20%。
福建華僑大学の季教授は、「『独り者デー』の出現や流行は、社会の多様化を示している。現在の若者は多くが一人っ子で、小さい頃から競争のプレッシャーと向き合ってきた。このため、いろんな形で自分の緊張を和らげようとしているのだろう」と分析する。
社会学者の李銀河氏は、昨年3月に発表した論文の中で、「中国の社会の発展に伴い、自由の範囲が拡大を続け、人々が社会生活の中で感じる抑圧感は弱まり、一人一人が自分の望みどおりに、一番好きな生活スタイルを選べるようになるだろう」と予想している。
「人民網日本語版」2005年11月11日