四川省安県生物礁国家地質公園は安県北西部にあり、平原、丘陵と山地からなる地域であり、地質公園は深水ケイ質の海綿生物礁を特色とし、面積は508平方キロ。最高峰の千仏山の海拔は2922メートル。

2億3000万年前に形成された大規模な生物礁ケイ質硅六射海綿は多彩そのもので、最も小さなものは1ミリ以下で、最も大きなものの直径は80センチで、これまでに世界で発見されたものとしては最大の海綿である。海綿礁の高さは40～60メートル、ヨーロッパで最大規模のジュラ紀海綿礁の高さはわずか20メートル前後である。現在安県およびその近くには生物礁が100余もあり、約266平方キロの範囲内に散在しており、地下に埋藏されている生物礁は700はあると予測されている。

生物礁は浅水生物礁を主とし、深水礁はごく稀れである。海綿動物はジュラ紀の頃にヨーロッパで突然たくさん現われたが、それ以前はナゾとしての存在だった。研究成果が裏づけているように、安県一帯のケイ質六射海綿はヨーロッパケイ質海綿の先祖である。安県海綿礁は2億3000万年前の古地中海東海岸の海湾で生成し、その後、古地中海が西へ移ってヨーロッパまで至るものとなり、このような海綿動物も海陸の移り変わりによって西へ移動し、数千万年にわたるヨーロッパ・アジア大陸にまたがる大移動と大進化によって、ヨーロッパに定着してきた。安県一帯の海綿礁の発見は、海綿動物の地質史の変化の空白を埋め、古地中海の変遷とヨーロッパのジュラ紀海綿の起源のナゾを解くものとなった。

「チャイナネット」2006/11/14