朱総理、日本の歴史教科書問題について発言

 昨日開かれた全国人民代表大会の記者会見で、「日本は歴史教科書を一部修正したが、修正についてどのような考えをもっているか。また、教科書問題が日中両国の指導者の相互訪問に影響を与えるか」という、NHK記者の質問について、国務院の朱鎔基総理は以下のように答えた。

教科書問題は、中日両国間だけの問題ではなく、日本と、アジアの関係諸国・国民との間の問題である。日本の軍国主義者が侵略戦争を起こしたという歴史的事実が歪曲されることは、中国人民の感情を害するだけでなく、アジアのすべての人々の感情を害することになる。歴史教科書は日本政府と文部省によって検定されるのであるから、日本政府は歴史教科書の修正に対する責任を回避することはできない。観点や言論の自由を口実として責任を回避することはできない。歴史教科書が一部修正されたことは聞いているが、アジア各国の国民の反応を見ると、修正は十分ではない。この問題は、日本の内政に干渉しようというものでは決してなく、日本国民と、中国人民を含むアジア各国の人々が、何代にも渡って友好的な関係を保っていけるかどうかに関わるものであると考える。また日本国民の利益に関わる問題でもある。もちろん、この問題が、両国首脳の交流に影響を与えるとは思わない。森喜朗首相の年内の訪中を招請することを重ねて表明する。

2001年3月16日