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中日間の「歴史問題」の起因と問題点(一)

ここ数年来、日本が絶えず「歴史問題」の面で事を荒立てているため、中日の間の政治的関係は行き詰まりに直面している。中日間の「歴史問題」が起こった原因はどこにあるのか。その主な問題点が何か。本サイトはこれからシリーズ文章を発表し、これと関連のあることについてその事実と是非曲直をはっきりさせると同時に日本の右翼勢力のいくつかのでたらめな言い方に反論する。

一、 中日の間の「歴史問題」が起こったのはなぜか。

中日の間の「歴史問題」の根源と本質は、つまり日本政府と政界の人びとが中国侵略の歴史を何度も否定し、美化する行為にある。これらの行為は中国人民の感情を深く傷つけ、中日国交回復期に打ち立てられた政治的基礎をゆゆしく揺るがすものとなった。

19世紀の後期、日本は軍国主義の対外軍事侵略の道を歩むことになった。1894年の甲午戦争(日本では日清戦争といわれている)以後、日本は中国の領土である台湾を占領し、賠償金として中国から当時の日本国の歳入の4.5倍に相当する銀を奪い取った。1905年の日露戦争以降、日本は中国の旅順、大連を占領した。1910年に、朝鮮を併呑し、1931年に中国の東北地域を占領した。1937年からは、日本は侵略戦争を中国の華北、華東、華南地域に拡大し、さらに東南アジア全域を占領した。中国を侵略する日本軍はいたるところで狂気のように平民を殺りくしたり、財産を略奪したりして、人類の近代と現代の歴史において稀れに見る野蛮な犯罪を犯し、中国人民に多大な災禍をもたらした。日本の対中国侵略戦争によって、中国は死傷者3500万人、経済的損害6000億ドル以上の巨大な被害を蒙った。

日本はまずアジアの隣国を侵略し、続いて独伊ファシズム枢軸国を結成して、第2次世界大戦を引き起こし、ついに1945年に戦敗で降伏し、アメリカ軍に7年間占領されることになった。1945年に抗日戦争に勝利した中国では、3年にわたる内戦を経て政権の交替が発生し、もとの国民党当局が台湾に逃れ、中華人民共和国が1949年に誕生し、中国の唯一の合法政府となった。第2次世界大戦以後、日本はアメリカにしたがって反中国政策を実行し、中国政府としての地位を失った台湾当局と「外交関係」を樹立したため、中日両国は1972年まで外交関係を回復することができなかった。

この期間において、中国政府は中日国交を回復するために大量の準備をしてきた。日本の対中国侵略の歴史問題について、中国の指導者の毛沢東氏は「日本が引き起した侵略戦争の責任はきわめて少数の軍国主義分子がそれを負うべきであり、中国人民は日本人民と世々代々友好的に付合っていくべきだ」と語った。

1972年に、中日両国はハイレベルの交渉を経て、『中日共同声明』を発表し、国交を回復した。国交回復の過程で、中国政府は歴史問題を適切に解決する面で最大の誠意を示した。中日の国交回復の基本的前提の一つは即ち日本は中国への侵略戦争に対し「反省」を表し、中国政府が「日本国民に負担をかけない」という立場に立って戦争賠償の請求を放棄したことである。1978年の『中日平和友好条約』および1998年の『中日共同宣言』はいずれも『中日共同声明』の基本的精神を再確認するものであった。

1980年代に入ったあと、中日の間の「歴史問題」が逐次顕在化し、しかも90年代の中期以後ますますその度合を増すことになった。中日の間の「歴史問題」の根源と本質は即ち日本政府、指導者および政界の大物がたび重ねて『中日共同声明』の精神に背き、中国侵略の歴史を美化し、否定した行為によるものである。

1、日本の指導者と政界の大物の靖国神社参拝の問題は、中日両国の政治関係の正常な発展にとっての最大の障害となっている。

日本の指導者と政界の大物が靖国神社に参拝することは、『中日共同声明』の精神を横暴に踏みにじることである。靖国神社は当時日本の軍国主義が侵略戦争を精神的に動員するところであった。今でも、そこには極東国際軍事裁判で判決を言い渡された、両手を中国人民の鮮血で汚した東条英機らの14人の第2次世界大戦期のA級戦犯、中国侵略戦争の政策決定者、指揮者、責任者の位牌がまつられている。現職の日本指導者および政界の大物がそういうところに参拝に行くことは中国人民の感情をひどく傷つけるものであり、第2次世界大戦に対して下した結論、国際公理、人類の正義に対する公然たる挑発であり、中日両国の政治的基礎をぶち壊すものでもある。

考えてみて欲しい。もしドイツ政府と指導者の中でファシズムを肯定し、ヒトラーにひざまずいてそれにぬかずく行為を表すものや、イタリア政府と指導者の中でムッソリーニにひざまずいてそれにぬかずく行為を表わすものがいれば、ヨーロッパ諸国の政府と人民はそれを許すとでも思っているのか。彼らはドイツやイタリアと正常な政治的往来をつづけるだろうか。国際社会はドイツがファシズムの頭目のために定説をくつがえそうとする行為を平気で受け入れることができると思うのか。

2、日本政府が中・高校の教科書の中で侵略の歴史をわい曲し、美化したことは中日関係の正常な発展の重大な障害となっている。中日国交回復以来、日本政府は前後して1982年、1986年、2001年、2005年に4回も歴史をわい曲したゆゆしい教科書問題を引き起こした。その中の最初の2回は中・高校の歴史教科書における中国侵略の歴史に関する記述を弱め、わい曲し、削除するよう強制的に指示したことである。後の2回は中国侵略の歴史をわい曲し、美化する右翼団体が編さんした中・高校の歴史教科書を黙認し、放任し、それを検定でパスさせたことである。

3、日本の閣僚、政界の大物の中に侵略の歴史をわい曲し、美化する言論をたびたび言い放つものもおり、中国人民の感情をひどく傷つけ、中国およびアジア諸国は強硬な抗議を申し入れた。「(当時の日本軍の)従軍慰安婦はビジネスとしての行為」だと言う日本の閣僚もいれば、「あの戦争はアジアを解放する戦争だ」と言う閣僚もいれば、「侵略戦争かどうかは考え方の問題だ」と言う閣僚もいるばかりでなく、こうした例はほかにもたくさんある。

4、日本の政界の大物らおよび各界のエリートの中に侵略の歴史を全面的に否定し、美化する社会風潮が現れていることはさらに中国政府と人民の反感を買い、それを警戒し、憂慮させることになった。日本の政策決定層および社会全体がこうした風潮に左右されていくならば、日本は再び対外侵略・拡張のいつか来た道を歩む可能性がある。

上述のすべてを総括するならば、「歴史問題」をめぐっての中日間の政治的摩擦は、日本側が両国の歴史問題の面で達した共通認識に背いたことによって引き起こされたものである。

近年、日本の右翼政治勢力は侵略の歴史を否定し、美化する面で政府への影響力を強めることになった。たとえば、小泉首相に是非ともアジア隣国のプレッシャーに耐えきって靖国神社参拝を堅持するよう求めていることがそれである。それと同時に、右翼勢力はみずからの非を認めないばかりか、責任を転嫁するほど中国がやむなく歴史問題について極力自制し、正当かつ冷静な反応を示していることを逆に「中国は歴史問題にしがみついて放そうとしない」、「中国は歴史というカードを切っている」と中傷し、中国で行われている日本の対中国侵略の歴史に対する正常な研究と教育を「中国が反日教育を行っている」と中傷している。

日本の動向は、日本は、中国が日本の中国侵略の歴史の面で示した寛大な度量、仇を恩で報い、戦争賠償を放棄する善意による行動が日本の十分な同感を得ていなかったことを示している。ひいては日本は中国の善意を利用して懸命に外交のカードを切り、自ら「被害者」を装い、これによって、国際世論に影響を及ぼし、国際社会での発言権および歴史上の合法性を奪い合おうと企んでいる。日本の右翼政治勢力の皮算用は、日本がアジアの強国の地位を保ち続け、絶えずその侵略の歴史を覆い隠し、ゆがめ、美化しつづけていきさえすれば、その歴史は結局書き直されることに成功するというものである。

日本の右翼政治勢力の企みは決して実現することはできない。しかし、これは人々に次のような忠告するものでもある。日本が侵略の歴史をわい曲し、美化したことによって引き起こされた「歴史問題」は短期的に消え去ることはない。これに対し中国およびアジア諸国の人民は必ず十分心構えをしなければならない。今後、中国およびアジア諸国はさらに国際社会で「歴史問題」の是非曲直をはっきりさせることに力を入れ、日本の歴史上の侵略の事実および侵略を美化することの正体をありのままに提示して見せるべきである。

(作者 中国社会科学院日本研究所教授 金煕徳)

「チャイナネット」2005/05/19

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