中国共産党（中共）中央と国務院は2003年12月24日と25日、北京で中央農村活動会議を開催した。この会議の主要な任務は、当面の農業と農村情勢を分析し、中共中央第16期中央委員会第３回全体会議の『決定』と中央経済活動会議の精神に基づき、農民の増収の促進を検討し、国の食糧の安全を保障するとともに、農村改革に関する政策・措置を深化させることである。 　

中共中央と国務院は長期にわたり毎年１回、中央農村活動会議を開催し、農村活動を指導する政策文書を毎年公布する伝統を保持してきた。今回の会議と公布した文書は２つの点でとくに注目を引く。うち１つは、会議では農民の増収、食糧の安全、農村の改革など一連の問題を検討していながら、文書はむしろ農民の増収の促進を突出させていることだ。文書のテーマは『農民の増収を促進する若干の政策に関する中共中央、国務院の意見』。

『農民の増収を促進する若干の政策に関する中共中央、国務院の意見』、即ち2004年の中共中央１号文書は、農民増収の問題をめぐり、９つの部分にわたって22の政策・措置を記している。９つの部分は概括すれば、大きく４点に集約できる。

第１点は、穀物生産地の農民の増収と貧困地区の農民の増収、この２つの重点と難点をそれぞれ強調していることだ。

現在、農民の増収の難しさは主に生産地にあり、穀物生産の安定と回復は主に生産地に係っている。文書はとくに生産地の農民の増収を支援する問題を突出させるとともに、有力な政策・措置を提起している。生産地の支援については主に、穀物生産能力の整備と穀物加工の付加価値増を強調している。このため、2004年から「国家良質穀物産業プロジェクト」をスタートさせ、大型農機具の購入と更新を助成するなどの措置を講じることを明確に打ち出した。

第２点は、農業内部、農村の内部と外部、この３つの層からそれぞれ農民の就業の拡大と増収を促進する関連政策を提起していることだ。

文書は、穀物の総合生産能力を保護し向上させることを前提に、構造調整を継続して推進するとともに、主に（１）強みのある農産品の産業化整備を推進すること。優良品種に対する助成を拡大し、法定検査と商業検査を段階的に分離させるなどの措置を提起し、産業化整備を加速させるとともに、農産品の良質化と地域化を進める（２）農業の産業化経営を発展させること。専用資金の設立、財政助成金や補助金の支給などの形で、主力企業の成長を支援することを提起する（３）農業科学技術を強化すること。各種農業関連企業による国の研究開発、資金の導入と拡大などの措置の申請を許可することを提起する―――の３点を重点的に実施するよう強調している。

農民の増収問題を解決するにはさらに、農村内部において農民の収入が増大する空間を開拓しなければならない。それには第２次、第３次産業を発展させ、県地域の経済を拡大させることが必要だ。そのため文書は、郷鎮（農村）企業の改革と調整を促進し、個人・私営経済を発展させるとともに、小規模都市を建設するなどの問題を強調している。

この数年、農民の増収では出稼ぎが中核をなしており、2000～2002年の３年間を見ると、収入増の47.8％が出稼ぎに係わるものである。現在、農民の出稼ぎ労働者は約１億人にのぼる。文書は、農民労働者の合法的権益の保障と職業技能訓練の強化、この２つの問題を強調するとともに、関連政策の着実な実施に力を入れ、大・中都市での戸籍改革を加速させ、各クラスの財政機関に対し農民の職業技能訓練のための専用資金を設置するなどの措置を講じるよう提起している。

第３点は、農民の増収に向けて必要な外部条件を整備する角度から、農産品市場を開拓し、農業と農村への資金投入を増大させるとともに、農村改革を深化させる政策・措置を提起していることだ。

農産品市場を引き続き開拓することが、農民を農業によってその収入を増加させるカギとなる。文書は、全国範囲で生鮮農産品の“グリーンチャネル”を構築し、対外貿易発展基金の農産品輸出への傾斜を促進するとともに、輸出農産品加工企業が加工貿易区に参入するよう奨励するなどの措置を提起している。

2004年に国債発行規模はさらに縮減するが、農業と農村への資金投入については、減少することはなく、できるだけ増大させることにしている。文書は、法に基づいて予算内に農業支出を計上し、農業投資を整合化し、農業と農村への固定資産投資比率を安定させるとともに徐々に高め、投資規模と建設範囲を引き続き拡大していくなどの措置を提起している。

第４点は、各クラスの党委員会と政府、関係機関が指導を適切に強化し、政策を着実に実施するよう強調していることだ。文書は、各クラスの幹部に対し、科学の発展観と正確な政治業績観を自覚的に樹立し、国情を深く認識するとともに、農民に対する感情を増強させるよう求めている。また中央が提起した「三農」（農業・農村・農民）問題の円滑な解決を全党の最優先活動とするとの要請に基づき、各種政策を適切かつ確実に行い、農民の収入を増大させ、食糧の安全を確保するとともに、農村の改革を深化させる目標の実現に努めるよう求めている。

「チャイナネット」2004/02/13