広東省政府はこのほど、同省南西部の海浜都市陽江市の海陵島に海上「シルクロード」博物館をつくり、そのために総額2.5億元を投入することを決めた。
陽江市は歴史上、中国と海外の通商貿易における海上シルクロードの中継港であった。現在、同市の東平漁港以東海底でこれまでにおいて最大で最も完璧な形で保存されている宋(960~1279年)の時代の沈船が発見された。この沈船は「南海一号」と称され、長さ約30㍍、幅10㍍、水中考古学専門家たちによって文物などの引き上げ作業がすすめられ、船内には積荷として陶磁器など8万点あまりの文物が眠っていると見られている。
これまでの小規模の作業を通して金、銀、銅、鉄などの製品、陶磁器など4000点あまりの文物が引き上げられた。陶磁器のすべては宋代の福建、浙江、河南などの地の官窯で焼成されたもので、国の一、二級文物に属するもの。専門家たちはこれらの陶磁器の形はいずれもヨーロッパ大陸やアフリカの祭祀用具であると語っており、当時、国際交流が盛んに行われ、委託加工の貿易方式が中国では古くから存在していたことを裏付けている。
今年初め、ユネスコの視察団が陽江市を訪れ、世界各地に通じていた海上「シルクロード」全体を世界文化遺産の一部とし、「海南一号」の発見は海上「シルクロード」を研究する上で重要な学術的、歴史的、文物的価値があると見ている。
「チャイナネット」2004/05/12