建国以来最大の規模となる「切り紙細工博覧会」が14日から浙江省温州で開かれている。出品されているのは細紋刻み紙、カラーや立体切り紙、千切り絵など500点余り。初めて公開された内外の著名な芸術家の作品もある。
最も特色のあるのが、地元・温州の細紋刻み紙。事務局は今回特別に、温州の民俗や習慣を反映した民間人の作品を数点展示した。その特徴は、作りが実にきめ細かなこと。ベテランになると、1センチメートル四方の紙に、髪の毛ほどの微細な文様を50以上刻むことができるという。それぞれの文様が互いにつながっていることから、「中国の絶品」と絶賛されている。
最長の展示品は、秦の始皇帝陵で発見された兵馬俑をモチーフにした作品。中国剪紙(切り紙)協会の張樹賢副会長が創作した。長さ8.9メートル、幅約0.4メートル。途切れた部分は1カ所もない。
ドイツのエングトゥ氏の作品も見逃せない。内容はドラマを題材にしたものが大半で、黒い紙から切り出した文様を白い紙に浮き出たせており、作品の価値は1点、数万元(1元=約13円)前後ともいわれる。氏は切り紙博物館も開設している。
国内からは、現代切り紙細工の開拓者と言われる陳志農氏、中国画の大家である林曦明氏などの秀作を出品。著名な画家である除悲鴻はかつて、陳氏を切り紙界の「曹雪芹」(古典・紅楼夢の作者)と称したことがある。陳氏の作品も黒紙の文様を白紙で際立たせる形式が主体。物語性やその含む意味をより重視しており、「傀儡をもてあそぶ」や「胡琴を売る」などの創作を目のあたりにすると、1940年代の農民の生活が真に迫ってくる。林曦明氏は温州の人で、その表現方法は当時としては極めて現代的。
「チャイナネット」 2004/09/16